フェレットのフィラリア症

今回はフェレットのフィラリア症についてです。

フィラリア症は、蚊に刺されることで目に見えないほど小さいフィラリアの幼虫に感染し、半年ほどをかけて体の中で成長、最終的に15~30cm程の細長い成虫が肺に向かう血管などを詰まらせ、命に関わるような症状を起こす、主にイヌ科の動物の病気です。

ネコはネコ科、フェレットはイタチ科ですが、まれにこのフィラリアが感染することがあります。(ネコ科、イタチ科、イヌ科はいずれもネコ目(食肉目)の仲間です。)

フェレットなどは最適な宿主(寄生の対象)ではないとの考えもあり、感染率は低いのですが、成長途中のやや育った幼虫が死ぬことでも、突然に重篤な症状(呼吸困難、運動失調、虚脱、けいれん発作、喀血、突然死)を起こすことがある、と言われています。

比較的軽い症状としては咳、呼吸が苦しそう、嘔吐、食欲不振などがあります。

しかし、寄生数が少ないことから、診断は難しいことも多いとされます。駆虫薬での治療も、多くのフィラリア成虫が1度に死ぬとそれに対してひどい炎症が起こり命の危険があるため、あまり勧められません。そういった理由でも感染後の治療が容易な病気ではないのです。

そこで感染の予防が重要になります。月に1度、感染間もない小さな幼虫を駆除することで、重篤な症状を防ぐことができると考えられています。

地域によって差はありますが、蚊が活動して、蚊の体内でフィラリアが成長できる暖かい時期に定期的にお薬を使うことで、高い安全性で、簡単に、ほぼ確実に、フィラリア症を予防することができます。

予防に関するご相談も受け付けております。お気軽にご相談ください。